土地がある場合の予算は？

・１６００万円の得？いいえ、１９００万円
実家のある地域に住んでいる人の中には、親がいくつか土地を持っている地主であったり、地域によっては「結婚したら次は家だ」とばかりに土地を譲られたりすることがあります。
私はさすがにありませんでしたが、実際に親が土地を用意したという友人もいました。
まあ、親としては子どもをある程度は自分の近くに置いておきたいという意識もあるかもしれませんね。

話はそれましたが、土地がある人はラッキーでしたね。
姫路市内で言えば住宅地の価格は平均１６００万円ですからね。
ただ、ここで「１６００万円も得した」と考えるのは早計です。
仮に３５年ローンを組んだら、１６００万円の土地を買うのに、幾ら支払う必要があるのでしょう。
金利を１％と仮定すると、３５年間で支払う金利相当分は約３００万円になります。
つまり、標準的な宅地を譲ってもらえたとすれば、それだけで１９００万円も得をする計算になります。

・浮いた資金で建物を豪華に
ここまで見てきたように、既に土地があれば、２０００万円近くの金額が不要になるということですから、必然的に建物の建築費用にかけられる予算に影響します。
例えば全体で土地、建物込みで５０００万円の予算を立てている人が姫路で標準的な宅地を買ったら、金利分も差し引くと、建物と諸経費に掛けられる金額は３１００万円ですが、土地がある人は５０００万円というわけです。
これだけ差があれば、土地がない人と同程度で相場通りの注文住宅にさまざまな手を加えたとしても、当初の予算よりは少なく済みそうです。

これを裏付けるのが住宅金融支援機構の調査です。
土地がある世帯の総額は２０００万〜３０００万円台が半数で、２０００万円未満が１割ほど。
一方で土地を持っていない世帯も２０００万〜３０００万円台が半数で相場は変わりませんが、２０００万円未満はほとんどいないようです。
ここから分かるのは、土地のない世帯は全体に相場が上方にシフトしていますが、ボリュームゾーンの構成比は変わらないということです。
つまり、土地ありの人は土地を持たない人と比べ、実際に建物にたくさんの金額をかけているということですね。