無理な値下げは禁物?デメリットを解説
・引き下げ分は会社がかぶる
直近の記事で見てきた通り、注文住宅は必ずしも高いものではありません。
ただし、気を付けたいのは安いを追求することのデメリットもあるということです。
まず1つは住宅メーカーに対して値引きを求めすぎると、逆効果として、手抜き工事になりかねないという懸念が生まれます。
仮に部材や人件費が変わらないまま値引きをしたら、どうなるでしょうか。
例えば3000万円の住宅に2600万円の原価がかかる中、施工業者が1割にあたる300万円の値引きをしたとしたら、施工業者が300万円分の利益を逃し、利益は100万円にまで目減りしたということになります。
これはかなり大きい金額です。
・施主と業者は「お互い様」
あなたが経営者なら、どうするでしょうか。
これが食品スーパーなら薄利多売だからと割り切るかも知れませんが、1棟に半年から数年をかける注文住宅で「薄利」は問題です。
今さら設計変更できないなら、分からない部分で部材のグレードを下げたり、工期を短縮して人件費を削ったりして、上の例で言う2600万円の原価を2500万円、2400万円と下げることで利益の確保を図るかも知れませんね。
当たり前のことを言って恐縮ですが、施工業者はボランティアで作ってくれているわけではありません。
「こっちは数千万円の家を注文してやっているのだ」と偉ぶりたくなるのは理解できないわけではありませんが、目の前の業者がいないと家が建たないのも事実です。
お互い様という関係の中で、一方だけが損(あるいは利益を逃すこと)をするのは、フェアじゃありませんよね。
家は建ててからもアフターサービスを通じて住宅会社と長く付き合うことになります。
その時間軸で考えると、建てるまでの期間というのは、付き合い始めの期間に他なりません。
そこで変に互いの気分を害して、後々まで尾を引くと詰まらないですよね。
値引きを求めるのも程々にして信頼関係を持って着工にこぎつけられるようにしましょう。